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ー記者マツモト、槍を投げる! ~10本インタビュー 第8章~

ヤリナゲインタビュー キャストインタビュー前編

(劇)ヤリナゲ インタビュー

ー記者マツモト、槍を投げる! ~10本インタビュー 第8章~

10本インタビュー第8章は、キャストインタビュー前編として、浅見臣樹さん、尾崎冴子さん、金城あさみさん、森亮平さんです。

浅見臣樹さん

尾崎冴子さん


金城あさみさん

森亮平さん

ー本日はよろしくお願いします!

浅見 (マツモトに)でかいですね。

ーえっ。

金城 たしかに、なにかトレーニングされてるんですか?

浅見 いや、してないと思うよ。

ーいや、鍛えてます、多少やってます、はい。

金城 へえー。

森 でかい!

浅見 …これも記事になるんですか?

ーいや、

浅見 インタビュー冒頭が「でかい」っていう(笑)。

ーもう録っちゃってますからね。それは困りますね。

浅見 ボイスレコーダー無駄にしてやろうぜ!

ーええっ。

金城 ああああああーーっ!

ーよしてください!!

閑話休題。

ーしかし今回インタビューをさせて頂いて思うんですけども、ヤリナゲの周りには面白い方が多いですよね。

一同首肯。

浅見 面白いっていうか変だよね。変だよ。面白いかは分からないけど、変だなって奴はたくさんいる。越を筆頭に(笑)。

ーなるほど!それでは、早速お一方ずつ自己紹介をお願いします。

浅見 (劇)ヤリナゲ劇団員の浅見臣樹(あさみなおき)です。

金城 演劇集団キャラメルボックス所属の金城あさみ(きんじょうあさみ)です。

尾崎 M・M・P所属の尾崎冴子(おざきさえこ)です。

森 東京ムムムカンパニーの劇団員の森亮平(もりりょうへい)です。

ーありがとうございます!

浅見 フリーの人が誰もいないという。珍しいですよね。

怖いから明転しないでほしい

ーほんとですね!金城さん、尾崎さん、森さんは今回初めてヤリナゲに出演されるとのことですが、過去にヤリナゲの作品をご覧になったことはありましたか?

金城 私は今年の一月に上演された『モニカの話』(第9回公演 2017年1月18日-1月22日 於 STスポット)を観ました。上演中に暗転が何度か入るんですけど、結構ホラーなお話で、舞台を観ていて初めて「恐いから明転しないでほしい」って思いました。毎回明転した時に何かしらの変化があって。

浅見 電気が消えてもう一回点くと、理由もなく人がいなくなったりしてたんです。

金城 あと真っ赤な手が「ニュッ」て出てきたりとかして凄い怖かったです。

尾崎 私も劇場でリアルに声を上げて「キャッ!」って言った(笑)。

金城 わかるわかる!

客席で観ていてもすっげえ腹が立つ

ー尾崎さんはいかがですか?

尾崎 私はたぶん第4回公演くらいからたぶん全部観ていると思います。ヤリナゲの作品は客席で観ていてもすっげえ腹が立ったりとか、すっげえ気分が悪くなったりすっげえ楽しくなる、みたいな観劇体験が出来るなぁ、と思っていて。

主宰の越君が同い年で、同世代の人たちが作っているということもあって揺さぶられるものが多いな、と思いながら観ていましたね。

ひとり客席で拍手をした

ー森さんはいかがでしょうか?

森 僕は『スーサイド・イズ・ペインレス』(第5回公演 2015年3月25日-29日 於 王子小劇場)と『緑茶すずしい太郎の冒険』(再演)(第7回公演 2016年3月24日-28日 於 王子小劇場)と『翳りの森』(第8回公演 2016年8月30日-9月4日 於 十色庵)を観ました。

ヤリナゲは独特ですごく面白いな、と思っていつも見ていました。あとオープニングがとてもかっこいいな、というのを常々言っていました。

『緑茶』(再演)のワンシーンで急須で水をこぼすシーンがあって、僕はそのシーンを観た時に客席で一人だけ拍手をしていたのをよく覚えています。

金城 そんなに感動したんだ!

森 拍手してたんですけどふと周りを見たらだれも拍手なんてしていなくて、「あれ、そういう雰囲気じゃないんだ」って(笑)。

浅見 急須を性器に喩えていたので、その急須をいい感じに触っていると「ああっ」って急須からお茶がこぼれちゃうんです。

森 その演出を見たときに僕はもう「やった!!」と感動してしまって。拍手をしましたね。

浅見 稽古場で変な空気になるんですよ。「こういう感じ?」とか言いながら頭の上に載せた急須を愛撫するんですね。「何このシーン?」って(笑)。

一同 (笑)。

作っている現場も作品も楽しかった

ー浅見さんは、いかがでしょう。

浅見 僕は2016年に(劇)ヤリナゲに入って、もう一年経ちましたね。

ーフリーで長く続けてらした浅見さんを知る方の間では「浅見さんがヤリナゲに入った!」という驚きがあったと聞きました。

浅見 「お前団体に入ったりするんだ!」て言われたりしましたね。

ーその決め手はなんだったんですか?

浅見 なんだろう、やっぱり作っている現場も作品も楽しかったからですね。

ー越君と一番最初に出会ったのはいつだったんですか?

浅見 2014年に王子小劇場で開催されたディレクターズワークショップという演出家のためのワークショップです。そこに自分は役者として参加していて、越は演出として参加していて、そこで出会いました。それで越のことはおもしろいなと思っていて、連絡先を交換して。2015年に僕が一人芝居をした時には観に来てくれたりして。

その後越の方から出演のオファーがあって、『2 0 6』(第6回公演 2015年8月12日-16日 於 王子小劇場)に出演しました。

そのディレクターズワークショップの時は越とは違うチームだったんです。その時は今回の出演者の永井さん(永井久喜 劇団献身)が越のチームでしたね。

『預言者Q太郎の一生』はダイナミック!/「こ、こんなに動くん??」/エネルギッシュ!

ーなるほど!今回初めてヤリナゲに出演される金城さん、尾崎さん、森さんにお伺いしたいんですが、ヤリナゲの稽古の感想、印象はいかがですか?

金城 私は『モニカ』しか観たことがないので今までのヤリナゲをよく知っているわけではないんですけど、『モニカ』と比べてみるとちょっとダイナミックな感じが増してるなという印象を受けます。割と身体を張っている人がいたりだとか。場の空気やエネルギーをどれだけ高い状態で保てるか、みたいなところもあったりして。もちろん緩急はあるんですけど「ダイナミック」というのが『モニカ』ではなかった今回の印象ですね。

尾崎 稽古もまだ序盤で未知数の部分も沢山あるんですけど、今までの感じだと「こ、こんなに動くん??」っていう感じです。「え、ヤリナゲってこんなに動くって思ってなかった!!」っていうのが最初の印象です(笑)。すごい、動いてます!

シーンによるとは思うんですけど、私はすごく動いているかな。

金城 頑張ってるよね!

尾崎 そう、頑張っている。浅見さんとかと一緒に頑張って。「ヤリナゲ、今回はちょっと今までより動くかもしれないです。」って最初に越君が言っていて、「そっか、動くかもしれないのか…!」って思っていたら「ああ、ほんとにそんなに動くんだ!!」と。有言実行の感じに今のところなっていますね。

ーいよいよ楽しみですね!期待が膨らみます!森さんはいかがでしょうか。

森 ヤリナゲの独特なおもしろい会話劇の感じなのかな?と思ったんですけど、意外とそうでもなくて。まだ前半だけなんですけど、かなりエネルギッシュで「あ、ヤリナゲこういうのもあるんだな」って思いました。

金城 私ヤリナゲで「もっと声大きくして」って言われると正直思ってませんでした(笑)。「もっと声大きく!」って。

ほんとにやりたいことをやっているんだな

ー浅見さんはいかがでしょう?

浅見 今のところの稽古をしている感想は「雑」ですね。

一同 (笑)。

浅見 雑だなあ、と(笑)。前に比べてどんどん雑になってるな、と思って。役者に対して親切じゃなくなってる、というか。「言ったことやって下さい」っていう感じです。

ーそうなんですか!

金城 前までは違ったんですか?

浅見 前まではもうちょっと相手の様子を見て考えていた。

一同 へえ、そうなんだ。

浅見 でもそういう部分がこの一年でどんどんなくなってきているんです。越自身もそう言ってたんですよね。「わがままになります」「わがままにやろうと思います」と。

ーそういう決意、宣言があったんですね。

浅見 「俳優さんのことを僕は人間と思ってないかも知れません」って言ってたから。

一同 ええっ。

浅見 今はほんとにやりたいことをやってるんだなっていう感じがします。だから思い通りに動いてくれればそれでいいと思ってるんだろうな、というところはある。

今はまだ序盤(6/17)でどんどん作って先が見たいから、そういう風にしている部分もあると思います。ある程度出来てきたら作り込んでいくんだと思うんですけど。

現時点で来ている台本とかもあわせた感想は、「雑」(笑)。

ー今はとにかく先へ先へ、という感じなんですね。

浅見 「今どういう気持ちでやりましたか?」って聞いたりしながら細かく作り込んでいくシーンと、「とにかく言ったことやって下さい」っていうシーンが今はっきり分かれていますね。

金城 「とにかくやって下さい」って言われる方たちはほんとに大変そうで、瞬発力をめっちゃ問われているという感じですね。

尾崎 どっちのシーンの人もお互い「大変そうだな」って思ってるんだと思います。でも楽しくやれています。

いっぱい喋っていて楽しそう

ーありがとうございます!稽古場での越君の様子はいかがですか?

浅見 大変そうです(笑)。

尾崎 私は初めて一緒に作品を作るということもあって「まだなんにも言えねえ」という感じですね。越君の中で何を求めているのかというのがはっきり出ているところはとにかくそれをやる、という感じです。あとものすごく考えたりして作ってるのかな、という印象がありますね。

あとたぶん越君の中での自分自身との対話をベラベラベラ!って話す時間があったりします。ただ言いたかっただけ、みたいなギャグみたいなのも言っていたりとか(笑)。その塩梅を今まだ探っている感じです。

浅見 普段喋らないから、すごい喋りたいんだと思う。

尾崎 へええ、そうなんだ。

浅見 バイト中とかも喋れないから。「喋る相手がいないんですよ」って言ってて。「僕キャバクラとか行きたいかもしれない。だって話聞いてくれるじゃないですか、だからみんな行きたくなるんじゃないですかね」って言ってた(笑)。

だから稽古場だといっぱい喋っていて楽しそうだなと思います。話を聞いてほしいし、それに対してみんながどう思うのかも言ってほしいんだよね。

感覚の深いところで考えながら

金城 たぶん、越さんが脚本を書いている時点で見えてるものと、見えてるけどそれ以上に欲しいものがあるんだろうな、という感じがしていて。

自分の書いた文字が人間を通して具現化して、どう立体化するのかを見ながら、その台本や越さんの中のイメージにどうたどり着いたらいいのかを感覚の深いところで考えながら稽古してる感じがします。

それでたまに1から10説明するうちの、10から先をボン!って言ったりするときがあって、そういう時にちょっと「わからないな…」ともなるんですけど、そういうところがおもしろいとも思いますね。 

浅見 (この時越さんから連絡が届き)台本増えたって!

金城 よかったー!

一同拍手。

尾崎 ほっとした!嬉しい!

金城 朗報!

ー日々そういう知らせが届くんですね!

浅見 越はこのところ稽古しないと書けない人間になっちゃって。俺が初めて会った時は稽古初日に7割くらい出来ていて、「これです!」って台本を渡されてたんだけど、どんどんペースが遅くなっていってる。

ーそうなんですか!作り方のモードのチェンジなんでしょうか。

浅見 「今まではどのキャラクターも全部自分として書けていたけど、今はそうではないから書くのが大変なんです。」って言ってた。

ーなるほど!稽古場での越さんについて、森さんはいかがでしょう?

森 僕も初めてですし、越さんおもしろいな、と思います。……はい。

一同 (笑)。

ーちなみにみなさんはもともと越さんとは面識があったりしたんですか?

金城 ちょっとだけありましたね。越さんは以前池内風さんの『かわいいコンビニ店員飯田さん』という劇団のお芝居に役者として出演したことがあって、私も池内さんのお芝居に出たことがあったんです。その時たまたま越さんが稽古場見学に来ていて、そこで初めて会って、稽古の後に食事をしていて色々お話する機会がありました。

『モニカ』にも共演させて頂いたことのある役者さんが出演されていて、観に行った時に越さんにも軽くご挨拶をさせて頂いたり。あとは私が出演していたお芝居も観に来てくれたりしましたね。

尾崎 私は去年まで時間堂という劇団にいたんですけども。そこで越君が時間堂の堂主だった黒澤世莉さんの演出助手をしてくれたり、時間堂の作品を観に来てくれていたのがご縁だと思います。そこで初めましてという感じですね。記憶が定かではないんですけど…(笑)。

でもほんとにヤリナゲのお芝居は好きで、関わりがあるから観に行っているというよりはほんとに好きで観に行っている劇団ですね。

ヤリナゲは時間堂の持ちスタジオだった十色庵でお芝居をして下さったりしていたので(※)、そういうご縁もあったりとか。

(※『フランドン農学校の豚』(番外公演 2014年10月25日-26日 於 十色庵)、『翳りの森』 (第8回公演 2016年8月30日-9月4日 於 十色庵))

森 僕はICU(国際基督教大学)の周りの人たちを通じて知り合ったと思います。直接越さんと話したことはなかったんですけど、毎度お騒がせボーイズというICU出身の人たちの劇団を観に行ったり、そこに知り合いが出ていたりしていて。その人たちが次ヤリナゲに出るから、というので観に行ったのが始まりだったと思います。

今自分達がやっている東京ムムムカンパニーもICUの人が結構いたりするんです。

ーICUが繋いだご縁、という感じでしょうか。

森 そうですね。

『預言者Q太郎の一生』は出演者20人説

浅見 そういえば去年の時点では『預言者Q太郎の一生』に出演者を20人くらい出すって言っていて。

尾崎 言ってた、言ってた!『モニカ』を観に行った時に終演後に話していて、越君が「15人くらいがわちゃわちゃしていたら面白いと思って…」って言っていて「15人!?」って言った覚えがある(笑)。

浅見 それはなんとしても阻止しなくちゃ、と思っていた(笑)。だから出演者9人でよかった、と思います。

森 元々20人くらいでやろうと思ってたんだ…。

浅見 去年こまばアゴラ劇場であった高校生の演劇サミットで観たお芝居の中にアリのお話で奈落から30人くらい出て来るっていうお芝居があって、それに感化されたんだと思う。「人がいっぱいいるとすごい面白い」って言ってた。

ザラッッとしたものが残る/めくるめくスペクタクル/いろんなことを考えて

ーさて、ここで『預言者Q太郎の一生』がどんな作品になるのかをおもむろに預言してください!

金城 すごくいい意味で心に「ザラッッ」としたものが残るところと、それがバンッ!って爆発するように解消されるところが混じっていて、最後の最後ですっきりするところもあるけど、いい意味で「気持ち悪さ」が残るような作品になるかもしれないです。いい余韻がちょっと残るんじゃないのかなあ。そういう風になったらいいなと思っています。

ー尾崎さんはいかがでしょう?

尾崎 スペクタクルな感じのお芝居になると思う!めくるめく感じというか。「ああ、私今日ヤリナゲを観に来たんだわ!」みたいなスペクタクルな、素敵なお芝居になると思います。

ー森さんは、どうでしょうか。

森 あっという間の90分(※)だけど、最後にいろんなことを考えて劇場を出るんじゃないでしょうか。

(※実際の上演時間は約75分を予定。7/12時点)

ーありがとうございます!浅見さんは、いかがですか?

浅見 俺はね、森亮平さんがかっこいいな、と思われるお芝居になると思います。

金城 ずっと言ってるんですよ。

尾崎 言いたいだけじゃん(笑)。

森 嘘ばっかりです(笑)。

浅見 あと、「その笑いは、あなたに返ってくる」お芝居になるんじゃないかと思います。ここ(チラシ裏面 左下部分)に書いてありました。

ーキャッチコピーままじゃないですか!

金城 いい意味でヒリヒリすると思います。ヒリヒリするところにちょっと優しくじわっと沁みるところと、「やめといて!!もう見せんといてーー!!!うわあああ!」ってなるところがあると思います。

浅見 きっとキャラメルボックスみたいになると思います!

金城 やめてよ、なんか悪口みたいだよ!

浅見 悪口みたいだね(笑)!

尾崎 この二人(浅見・金城)の意見が有力かもしれないです、なんだか自信失くしてきた…。

金城 スペクタクル大事だよ!めくるめくスペクタクル大事!現にそんな感じだし!すごい急行列車みたいな感じですよ。

敷居はすごく低い/対人間/デートに向いている

ーさらに、まだヤリナゲを知らなかったり、まだ観たことがない人へ向けておすすめするとすれば、どうご紹介されますか?

浅見 敷居はすごく低いと思います!だいぶ低めなんじゃないかな。どうですか?

尾崎 もしかしたら「ヤリナゲってちょっとむずかしそう」って思われるのかもしれないけど、でも観たことない人でも入りやすいと思います。私としてはヤリナゲってすごくふざけ倒してるイメージだからなぁ。

浅見 楽に観られると思うんですけどね。苦しくなる人は苦しくなるかもしれないけど。

金城 私は休みの日って出来れば家にいたいんですよ。でもそういう生活をしていると、たまに人に会った時に変な感覚になることがあって。スマホがなかった頃、それこそ小学校の時に毎日学校に行って友達と会っていたような「対人間」という感覚が薄くなっているのかもしれないって時々思うんです。

でも今回のヤリナゲのお芝居って、「これお芝居でやったらエグいよね、みていて痛いよね」というところを大胆にやっているところがあるんです。本物の人間がそういうことをやってるっていうのを、目の前で観ちゃうと、すごく心がざわざわしてしまうんです。

だから舞台ならではというか、舞台でこれをやったら絶対にぞわっとする、というのをお届けできると思っているので、変なことを言ってるかもしれないですけど、人間を思い出せると思います。

浅見 デートに使える!デートでこれを観に来てもいいと思います。ヤリナゲはデートに最適ですよ。恋愛映画を観るのなら、『預言者Q太郎の一生』を観てほしいですね。

金城 人との関わり、絆を問えると思う。「あんたが友達と思ってる人ってほんとに友達?」みたいな。

浅見 なんか喋りたい人は何人かで観に来たら観終わった後すごく喋れると思う。「俺はこの気持ち分かった」「いや、俺は分からない」とか。

会社の同僚の人とかが何人かで観に来たら、お互いの考えを知るきっかけになるかもしれないです。「お前はそういうこと思うんだな」って。

それはたぶん、越がお話っていうよりはその場にいる人間で作っているからだと思う。

尾崎 「世の中のタブーが、いっぱい観られるよ♡」って。世の中で生きていて「うわっ」「ぎゃっ」って思ったりとか、「これしていいの?」とか「これ人としての道理的にどうなの?」みたいなものを、安全なところから観て、ニヤニヤすればいいと思う(笑)。そういう楽しみもおすすめしちゃうよ!そういう自分と向き合っちゃいなよ!って。

越さんは性格が悪い?

浅見 越さ、性格わるくない?

尾崎 越君自身は分かんないけど、あの台本はすげえ性格悪いなって思う(笑)。でも、きっと自分の中の性格が悪いところとかダメな物、ドロッとしたものが見たい、臭いものを嗅ぎたい、みたいな欲求に手が届くようにはなっているかな。

金城 でもその悪さのおかげで、いい部分がよりキラッとしているところもあると思う。

浅見 今回の『預言者Q太郎の一生』は出演者のみんな性格悪いと思ってるから。

金城 何それ!

尾崎 どういう事だよ!

金城 自分もだから!

浅見 俺も日常から他人に優しくなくなってると思う。

森 出ている人のエネルギーと、人間を思い出せる。そしてデートに使える。

すごいエネルギッシュで楽しげではありますけど、人間的な部分にとても刺激になる作品だと思います。

ーなるほど!

浅見 アゴラで出来て嬉しいなと思います!

森 あ、僕もアゴラで出来て嬉しいです!

浅見 20代のころからずっと出たかったので。出られます。演劇を観たことがない人でも、初めての観劇がこまばアゴラ劇場ってよくない?「お芝居を観に来た!」っていう感じがすごくするから。

尾崎 彼女を誘うときに、「ももいろクローバーZが出演していた『幕が上がる』っていう映画で出てきたあの小劇場行かない?」って誘ってもいいかもね♡

ーありがとうございました!!

(2017/6/17 聞き手:松本一歩)

(劇)ヤリナゲ第10回公演

『預言者Q太郎の一生』

2017年7月14日(金)〜23日(日)

こまばアゴラ劇場

詳細はこちらから。


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