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『緑茶すずしい太郎の冒険』週直日誌#2 インタビュー男子会 前編

 こんにちは。『緑茶すずしい太郎の冒険』週直の中村です。『緑茶すずしい太郎の冒険』まであと2週間となりました。チケット現在発売中です。こちらよりぜひお買い求めください。

 今回は、『緑茶すずしい太郎の冒険』に出演する男性キャスト四人に、ヤリナゲとの出会いや稽古の様子を伺いました。

(左から浅見臣樹・四柳智惟・津枝新平・岡本セキユ)

ーー今回の『緑茶すずしい太郎の冒険(以下、緑茶)』には、ヤリナゲに三人(津枝新平・岡本セキユ・四柳)が初参加ということですが、みなさんが今回の公演に関わるきっかけは何でしたか?

津枝新平(以下、津枝):僕は、佐藤佐吉ユース演劇祭(編注:今回、(劇)ヤリナゲが参加している、王子小劇場の演劇祭)のトライアウト(詳細→http://en-geki.blogspot.jp/2015/09/blog-post.html)に出たのがきっかけです。所属しているHYP39Div.っていう団体から、「とにかくお前ほんと外部にいかねえから、行け」みたいなことを言われて、「はーい」って言ってトライアウト受けました。4団体のオーディションを受けたのですが、なんかそもそも今回、稽古がほとんど組めなくて、それでもオッケー出してくれたのがヤリナゲだけで。

トライアウトの思い出は…、主宰の越さんがめっちゃ変な人だなと思いました。ずっと他の団体がトライアウトをしている後ろでニヤニヤしてたり、メモしたり、うなずいてたり、「怖い、あの人。なになにー」って思って。しかも、ヤリナゲは、トライアウトで一番最後だったんですよ。ヤリナゲのトライアウトを受けるときはみんな疲弊してて。で、あの、やばい人だー、って思ってたんですけれど、台本見たら、すごく日常感溢れるもので、僕は割としっくりきたんです。なんか、姉が弟の部屋に、弟がエロい動画を見ている時に入ってきちゃう、みたいなやつだったんですけれど。それで、トライアウトのときによかったみたいんで、越さんから電話がきて、渋谷のスタバで会いました。

岡本セキユ(以下、岡本):僕の場合は、先輩がやっているアムリタという劇団があって、アムリタに越さんが関わっていて、なんとなくお互い顔知っていて、何回か言葉を交わしたこともある、って感じで。それで、10月に知り合いの芝居に出たときに、越さんが来てくれて、そのときに、「今度やるんですけど、出演しませんか」って言われて、僕も、渋谷でしたね。ちょっとおしゃれなカフェで話しました。 

ヤリナゲは、知り合いが出ていたことがあるんですけれど、見たことはなかったです。

四柳智惟(以下、四柳):僕は越さんの大学の一個下の後輩なんですけれど。大学三年の頃に、学内で越さんが演出した芝居を見ていて、それ以来ヤリナゲに出たいなーってのはあったんです。一応、ヤリナゲの公演はほとんど見ていて、初演の『緑茶』も見ています。でも、実際にちゃんと話したのは、今回から、という感じもあります。

ーー稽古が始まりましたが、実際に稽古が始まっての印象はどうですか?

津枝:僕は、稽古にまだそんなに出てないけれど、この前の身体の観察のワークってのが面白くて、はぁはぁ言いながら歩くんですけれど、あれはうちの団体でもやりたいなーとか思いました。

  ただ、うちの団体とは全然違いますね。うちの団体はモラルがない、モラルがないんです。というかめちゃくちゃなんですよ。あ、それこそ、この前、うちの団体でも障害児の話をやったんですけれど、題材は似ているけれど吐き出し方が全然違う。ヤリナゲの吐き出し方は、よりライトだな、と。ドーナツ化とかね。

四柳:稽古して一番最初に思ったのが、大学時代に、越さんのワークショップを受けたことがあって、そのときと全く同じことをやっていて、越さん、全くぶれてないんだな、と最初に思いました。例えば、後輩くんのエチュードとか、さっき津枝さんが言ってた姉と弟のやつとかも、僕はやったことあるし。

 劇自体はですね…、一番自分は、苦手なところというか、あんまり日常生活での感情の起伏とかを全く人に見せたことがなくて、そういう芝居もあんまりしたことなかったんで、ちょっとそこが大変ですね。

岡本:僕は、知らない人と一緒というか、他の劇団に出るとき、いつも緊張するんですけれど、今回、あんまりそれはないですね。何故かはわからないけれど。いつもは萎縮したり緊張したりして、稽古場に行くのが憂鬱なんですけれど、知らない人の前で大声出さなきゃいけない、みたいな。でも、今回は割としんどくないなー、と思います。

 僕が普段自分の劇団でやっていることとは、結構違う感じに見えるというか「真逆の作風だね」って言われたこともあるんですけど。越さんがこれが好きっていうもの…例えばハイバイだとか、そういうものが結構かぶっていたり、稽古場で越さんがニヤニヤする、面白がるようなところもも、結構「だよねー」って思いました。あってる、っていうのは偉そうだけれど、そんなに自分の生理と違うとは思わないですね。

浅見臣樹(以下、浅見):俺は前回公演の『206』に出てたんですが、『206』よりも、ヤリナゲがヤリナゲになったなぁ、と思ってます。俳優でいったら、ヤリナゲ劇団員の中村あさきが、よりあさき自身がむき出しになってて。リピテーション(編注:ヤリナゲでよくやるワーク。二人で向き合い、何か具体的に気がついたことを言葉にして言い、相手はその言葉を繰り返す。その言い合いを繰り返しながら、もしどちらかが新しく何かに気がついたら言葉を変えて同様にしていく)をあさきとやると、あさきの反応とかたたずまいとかが敏感じゃなくて、むきだしになっているのを感じる。やっているこっちが、びびるというか。

 越くんも、「今のウソですよね」っていうのに、すごく敏感というか、気づくようになっていて、そこに対して、どうすればいいか、というのも考えるようになっている。前回よりもヤリナゲをやる、ヤリナゲが一番いいお芝居をするにはどうすればいいか、みたいなことが良くなっているから、ヤリナゲとしてのいいものに近づいているな、って思います。俺が参加していない半年の間に、知らないところで成長しているんだろうなぁー、すげえなぁー、と。目に見える形での成長がありますね。だから稽古場こわいねー、昨日もウソついてたら、越くんにばれちゃうし。

 『206』の時は、話に巻き込まれるというか、自分が演じる一つの役の人物の何かを掴めたらやれたんだけど、今回は演じる役が多くて、あとは、受信するんじゃなくて発信する側だから、あぁ、発信は大変なんだなーって。正直、出番減るから楽かなー、って思ってたんだけど、やっぱり大変でした。

前編はここまでになります。後編では、『緑茶』の台本についてや、今回のお話のテーマとなっている”母と子”にまつわるそれぞれのエピソードについて伺っています。

後編もぜひお読みください。

それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました。


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