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「206」日直日誌#6 「あおのさんと國吉さんに話を聞く。後編」

 こんにちは。「206」日直の中村です。あおのさん、國吉さんのインタビュー、後編です。前編では國吉咲貴さんにたくさんお話を伺いました。

 後編では、今回二回目の出演となるあおのゆきかさんに、前回からの変化を伺い、また、お二人に「206」の脚本について、お話を聞きました。女子会のような温かい雰囲気と鋭い視点が、冴え渡っています。

(あおのゆきかさん。髪がとても長くてきれいです。赤い服をよく着ています)

ーーあおのさんは、今回、二回目の出演になりますが、前回の「スーサイド・イズ・ペインレス」(以下、「スーサイド」)に比べて、自身が変わったこと、深まったことなどがあれば教えてください。

あおのゆきかさん(以下、あおの):前回はもう全く知らないまっさらな状態で参加して、越イズム、越メソッドじゃないけれど、そういう越さんらしさを徐々にわかっていったところがありました。今回は色々、自分の中を解放するっていうか、嘘をつかないとか、今ある自分の状態のまま舞台にでる、など、越さんのやりたいことを、少し知った上でやれています。

また、前よりも更に、私の感覚は鋭敏になっている気がしています。人見知りなんですが、今回は二回目の参加なのもあって、自分の周りに貼っていたバリアが剥がれてきて、いい感じの状態になりやすいのもあると思います。加えて、「206」は「スーサイド」よりキャストが少ないので、一人一人とちゃんと関われる。

國吉咲貴さん(以下、國吉):個人的な印象なのですが、あおのさんは、より感覚派になって、すげえなぁ、と思います。相手の役者さんとの関わり合いとか、相手の投げた言葉への跳ね返り方がとても良いです。

あおの:あ、それは嬉しいです。慣れとはまた違うんですが、自分の中でも、「スーサイド」で経験したことが残っていて、「スーサイド」で少し抑圧していた部分を、次やるときはもっと、自分に素直になろうと思っていました。

今回は沢山喋るし、みんなと関わるし、疎外感もなく、自然とあおのをばっと出せています。意識的な要素だけじゃなくて、状況とか、台本とか、そういう様々な要素が、自分を進化させたんじゃないかと。

ーー「206」の内容についても伺います。前回の「スーサイド」は、作演出家の男が自分の人生を取り込んで台本を書く話で、「206」は、三人姉妹の部屋を舞台に、異星人の独立を巡るSFです。脚本を読まれての印象や、「スーサイド」と比較して気づいたことなど、お聞かせください。

國吉:「スーサイド」も、一人の男性が痛めつけられる話で、206も苦しむ感じがあります。人間が苦しむ感じ、抑圧されて生きている感じが出てくるのは一緒かな、と思います。

でも、設定が全然違いますね。女の子三人が主軸になったので、割と分かりやすくなった印象です。「スーサイド」より明るい気がします。それは女の子が前に出てるから、じゃないかと。

あおの:前回はホンマさんという主人公が、女性からの攻撃によって、ダメになっていく話しでした。男が主軸という印象がありましたね。

國吉:あおのさんが「スーサイド」を読んで、「女性が蔑ろになってて、変だな、と思った」ということを言ってて、それが印象に残っています。圧倒的強さの男性がいて、それを飾り立てている女性たち、というイメージがありました。

でも、「206」も、そういう部分がある気がします。結局はヨーイチくんを引き立てている、ところもあるのかな、と思います。ヤリナゲの笑えるシーンって、結構、「男性は笑える」シーンが多いなぁ、と思います。男の人が書いているんだなぁ、と。

私は女性だから、女性としてみると、あ、こういう風に男性は、というか越さんは考えてるんだなぁ、と思って面白いです。

あおの:私は三人姉妹を、舞台で見たことはなくて、チェーホフの戯曲でしか読んでいなくて、最初に戯曲を読んだときは「これをどーするんだ」って思いました。戯曲と「206」の三人姉妹は、三人姉妹の関係性が共通していると思います。三人姉妹が、それぞれ、どこを向いているのか。という部分も似ています。長女は現実、次女が未来、三女が幻想、を見ているのだと、私は考えました。

ただ、今回の「206」はらくだ星などのファンタジーな要素が入っています。それでも、すごく日常の感じがあって、だから、無理なく自然に、設定に準じることができています。

私の役としての前回と今回の違いは、喋る量ですかね。前回はそんなに台詞の量が多くなかったのですが、今回はすごく喋るし、物語の主軸ではないんだけれど、牽引していく存在です。

でも、私が演じる長女のアカネが何を言ったところで、状況は変わらないんですよね。かわいそうだけれど愛しい人です。 

國吉さんが演じている次女のテルコはどうしようもないけれど、好きです。

「206」の三人姉妹は、愛おしい感じがします。馴れ合ってるわけでもないけれど、疎遠な感じでもなく、つかず離れずな距離感が、「ああ、あるよね」って思えます。

ーーそれでは、最後に、今回の公演「206」への意気込みを教えてください。

國吉あおの:(熟考した後に)・・・頑張ります!

 「206」本番まで、あと20日を切っています。チケット販売中です!詳しくは、「次回公演」のページをご確認ください。お得な割引制度や、「206」にて、(劇)ヤリナゲの次回公演のチケットも販売中です。

 次回の日直日誌は、206割に再び挑む予定です。ぜひお読みください。


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